前回の記事「【UberEats 】京都と福岡で配達パートナーの報酬大幅引き下げ!」の続報です。
前回の記事は速報的なものでしたが、それから時間も経過して、新たな情報がどんどん出てきました。今回はもっと掘り下げていきたいと思います。
先週、UberEats 配達パートナーの間で大炎上し、Yahoo!ニュースにも登場した「UberEats 京都・福岡の報酬3割カット事件」
これに関して、まだ運営(UberEats Japan)の方から何の説明や情報開示も出ていませんが、UberEats 配達パートナーによるSNSから、かなり全貌が明らかになってきました。
そして、私の予想も。
今回UberEats はなんの理由で報酬3割カットを実験的におこなったのか?どのような目的があるのかを、いろいろと予想していきたいと思います。
3月8日(月曜)現在、京都・福岡ともにUberEatsの報酬は元に戻っている
先週、京都福岡であれだけ騒ぎになったからか、Yahooニュースで取り上げられたからか、理由は定かではありませんが、
3月8日(月曜)現在、引き下げられた報酬はいったん保留されて、もとの料金体系に戻っているようです。
な、なおってたー‼️。゚(゚´ω`゚)゚。オーン
2枚目のはマックなんですがピック合わせて3.3km表示。ブースト1.1倍範囲内だったのですが、以前の料金なら500円も貰えることが無かったので、ちゃんとピック分も加算されて計算されているようです。☝️#ウーバーイーツ配達パートナー#UberEats#京都 pic.twitter.com/1UylJifgQb
— 9里(きゅうり)@UberEats京都配達パートナー (@UberEatsKyoto20) March 8, 2021
↑京都の配達パートナーの方の喜びの様子。公開された報酬を見る限り、カットされる前の正常なものに戻っているようです。
しかし、喜んではいられません!
おそらく、あまりにも騒ぎになったため、UberEats 側が炎上を鎮火するために、やむを得ず戻したんでしょう。
事実、報酬引き下げられて初めて迎えた日曜日(3/7)、渦中の京都では、昼時にもかかわらず配達パートナーがいなくなり、UberEats がまったく注文できない状態(いわゆるブラックボックス)になったらしいです。
https://uber-enjoy.com/mac202103/
マックの鬼滅の刃キャンペーンって↑コレね
【おさらい】京都・福岡で報酬引き下げって、具体的にはどのくらい下がったのか?
それでは、先週起きた事件。京都・福岡の報酬引き下げは、どれほどのものだったのか?
おさらいしてみよう。
300均wwww pic.twitter.com/mU5fFSIRkw
— ウバイツうさぎ (@ubareats_usagi) March 1, 2021
↑これも京都のUberEats 配達パートナーの方が公開した報酬額。全部300円です。
SNSから仕入れた情報をまとめると、
引き下げられた報酬(新報酬システム)は
- 基本的に一律300円くらいである。
- 配達距離によっての変動はなく、1キロ運ぼうが5キロ運ぼうが300円である。
- 熟成度(注文が入ってから、配達パートナーが決まるまでの時間の長さ)、熟成すれば熟成するほど、報酬の300円の報酬がどんどん高くなっていく。
- 配達パートナーは注文を受ける際に、先に報酬額(基本的に300円だが)が提示され、配達を拒否することもできる
- 【重要】配達パートナーは注文を受ける際に、ドロップ先(配達する注文者の位置)も確認でき、配達距離が長いなど気に入らなければ、その配達を拒否することができる
ちなみに通常の報酬は1回につき平均450円ほど。ですので3割カットということになります。
⑤のドロップ先を事前に知ることができるのはメリットですが、
①~④はデメリットしかありません。改悪。
まず、ショートだろうが、ロングだろが、一律報酬額っておかしいじゃないですか。
それだったら誰もロングやりませんよ。
「ロングだとみんな拒否するから熟成度が上がって報酬も高くなるでしょ!」って言う人もいるでしょうが、
言うほど熟成案件のロングなんてやりたいですか??
私は1時間くらい熟成した案件なんて絶対運びたくないですね。1000円積まれようが2000円積まれようが嫌ですね。
地雷原に足を踏み入れるようなものですよ。

結局、UberEats の運営は何がしたかったのか?
ただ単に配達パートナーへの報酬を引き下げて、利益を増やしたかっただけなのか?
そのことについて私なりに推測してみました。
【推測】UberEats の運営は、結局何がしたかったのか?何を目指そうとしたのか?
ここからは私の推測です。
まず、UberEats 配達パートナーからの2つの要望が事の発端です。
とくに要望が強かったのは、「ロング(長距離配達)の報酬体系の見直し」そして「注文を受ける時にドロップ先も表示してほしい」
この2つの要望と、「UberEats 側の利益をもっと出したい」という考えが、ごちゃごちゃに混ざり合って生まれたのが、今回の京都・福岡の新報酬システム(報酬3割カット)だったのではないでしょうか?
産みの苦しみと言えば聞こえはいいけど、完全に失敗してますよね・・・
で、UberEats は何がしたかったのか?
私の推測ですが・・・
「ロングの報酬は、注文者からのチップでまかなう」
という流れを目指したんじゃないでしょうか?
まず、
UberEats 配達パートナーが注文を受ける時には、「一律報酬の300円」が提示されます。
先ほど言った通り、ショート(短い距離の配達)でも、ロング(超長い距離の配達)でも一律300円です。
もちろん、配達パートナーはできるだけ配達数をこなしたいので、ショートしか受けません。ロングなんて死んでもやりません。
もちろん熟成度がアップして、ロングの報酬が300円→350円→400円と上がろうが、誰も見向きもしないでしょう。配達パートナー総シカトです。
で何が起きるかというと、
ロング注文を頼んだ注文者には、一切配達されません。配達パートナー全員拒否。
豊洲のタワマンから、浅草の老舗の料理を注文しても、誰も運びません!
そこでチップ制度の出番です。
ロング注文する人は、注文するときに、商品の支払いの他にチップも支払うんです。
チップの額は注文者が自由に決められる仕組み(今現在すでにそうですが)
ですので、ロングの注文をする注文者がもしもすぐに配達してほしい場合は、それ相応のチップを先に支払っておくのです。
もしもタワマンの人が、事前に2000円チップを支払っていたら、
UberEats 配達パートナーには、チップ2000円+一律報酬300円=2300円が提示されるわけです。
2300円ならばさすがに配達パートナーは即決でハンマープライスでしょう。タワマンの30階だろうが40階だろうが、エレベーターが停電で止まっていようが、関係なく運ぶでしょう。

簡単にまとめると、
ショートの注文者の場合は、チップを払わなくても、すぐに配達パートナーが決まる
ロングの注文者は、事前にそれ相応のチップを支払わないと、絶対に配達パートナーは決まらない
こうしたチップ制度が仮に確立されれば、
- 配達パートナーはロングもノリノリで行く
- 配達パートナーは事前にドロップ先を知ることができて、精神衛生上いい
- UberEats 側も利益を増やすことができる(UberEats は1件当たり300円しか報酬出してないから)
- 注文者も、チップさえ払えば、イキイキした配達パートナーがすぐ配達に来てくれるから満足
まさに三方一両損ならぬ、三方が幸せになるシステムです。
この推測の根拠
今回の京都福岡で引き下げられた新報酬システム。報酬の低さが本国アメリカと同様だから。
本国アメリカの配達パートナーは、足りない収入をチップでまかなっている事情があるからです。
しかし京都福岡の実験段階で大炎上してしまい、前途は多難に・・・
まず私が予想したチップ制度は、アメリカなどの海外では、今や当たり前の文化なんですが、
残念ながら日本では根付きそうにない文化でもあります。
そもそもチップという概念そのものに抵抗ある人は日本には多いと思われます。
そこに輪をかけて酷いのがUberEats の運営のやり方です。
報酬引き下げに関するアナウンスは一切無し。
炎上騒動最中も、まったく弁明のアナウンス無し。
沈黙がガソリンとなって炎上をさらに大きくさせてます!
昔サッチーがミッチーとケンカしたときに、「沈黙は金なり」と言い放ったことがあるけど(いつの話だよ)
UberEats の運営よ、サッチーにでもなったつもりか!と私は言いたい!!
結局、京都福岡の報酬引き下げは失敗に終わりそうだが・・・?

Yahooニュースにも取り上げられたり、ユニオン(ウーバー労働組合)が声明を出したり、いろいろひと悶着があったため、
UberEats 側は、新報酬体系の見直しを余儀なくされていることでしょう。
今回は、京都福岡ともにひとまず元の報酬額に戻すという選択をしましたが、また今後動きがあることでしょう。
動きということは、これすなわち配達パートナーの報酬引き下げに繋がることでしょう。
来春日本に上陸するDoordashのことをかなり意識?
来春日本の一部地域でスタートされるというDoorDash(ドアダッシュ)
DoorDashといえばUberEats と同じシステムのフードデリバリーサービスで、本国アメリカでは50%近いシェア率を誇るNo1の会社です。
そんなDoorDashが日本上陸とあっては、UberEats もかなり意識しているはずです。(出前館やmenuのことは全然意識してないくせに)
DoorDashが日本でサービス開始したら、覇権を取るために配達パートナー引き抜き(とんでもない高報酬など)を仕掛けるはず。
それを阻止すべくUberEats も、配達パートナー流出を防ぐために、大幅な報酬UP(クエスト・ブースト)で対抗するでしょう。
その来たるべき配達パートナー争奪戦を前に、UberEats は今年中に出来るだけ利益を出し、資金を温存しておきたいのでは??
今回の報酬引き下げもその一環??
これは妄想に近いかももしれませんが、私はそう予想しています。
UberEats(ウーバーイーツ)報酬3割カット事件~まとめ!
と、いろいろ予想してみましたが、トンチンカンな予想かもしれないし、案外当たってる部分もあるかもしれません。
正直今の情報だけでは、確実に言えることは少ないです。
UberEats 配達パートナーの皆様は、流れを注視して、おかしいことはおかしいと声を上げて、場合によってはUberEats という仕事を続けるのか、続けないのか、という人生の二択を迫られる日が来るのもそう遠くは無いかもしれません。

じゃーん!!僕、明日からダッシャーになりまーす!!